鹿島神宮奉納演武 令和五年

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令和五年は道場設立二十五周年にあたり、それを記念して日本最古にして最強の武神である鹿島の大神さま、武甕槌大神(タケミカヅチノオオカミ)に剣技を奉納して、神武天皇以来の日本武道史の末席に連ならせていただいた。

令和五年十一月十八日は、天気予報は晴れ、横浜を出た時も晴れて暖かく、穏やかだった。

しかし、鹿島に着く頃には、空は一転して曇り、こぬか雨が降ってくる。

やはり、龍族のお迎えは雨だ。

本殿は改修が終わったばかりで、漆塗りも美しく、より厳粛な空気であった。

祝詞で道場のこれまでの歩みや、日本の伝統である武道、武士道、日本刀の文化を正しく受け継ぎ、美しく、しなやかな心で発展、継承していく決意を大神様に伝えていただいた。

これには大変有り難いとともに、より一段と身の引き締まる思いだ。

昇殿参拝を終え、本殿を出ると雨がやみ、神社の門の向こうに、夕日で橙色に染められた龍雲が表われた。

神はさまざまな形に変化して表われるが、自分の法名に変化して表われてくれるのは稀なこと、これこそまさに大神様の祝福だと歓喜する。

私は神仏を信仰する者であるが、神の存在をここまで強く、そして身近に感じたことはない。

この日は、武甕槌大神が私の魂に共鳴してくれ、ひとつになったのだと思う。

今後もこの心境を忘れず、武道のため、日本国のために、この身を捧げていきたい。

令和五年十一月

日本武徳院

師範・剣士 黒澤龍雲