令和三年 靖國神社奉納演武をおえて
今回の靖國神社での奉納演武は、一昨年の春以来、一年半ぶりの奉納だった。
この間、中国発の疫病の蔓延によって、世界の状況は一変した。
中国の悪辣さに世界が気付き、このままではいけないと、目を覚ましはじめた。
と同時に、市場からマスクが無くなるなど、価格の安さから、中国頼みにしていたことの危険性も指摘され、サプライチェーンの再構築も急務だ。
気がつけば日本も、ワクチンの製造すらできないなど、その脆弱性も明らかになった。
こうした大きな変化のなか、我々は何を指針に、どのように生きればよいのか。
それを指し示すひとつとなるのが、日本古来の武道である。
この場合の武道とは、狭義の肉体術で勝ち負けを競うものではなく、神道や仏教などの宗教に裏打ちされたものであり、人間いかに生きるべきかという本質的な問いを含むものである。
こうした認識のもと、日ごろ鍛練した技を英霊の皆様の前で真摯に披露し、喜んでいただくことが、靖國神社での奉納演武の意義だ。
日本武徳院は中村泰三郎先生の流れをくむので、陸軍戸山学校の軍刀の操法であった戸山流の奉納ができることは、同じ技を鍛練したであろう、多くの英霊方にも喜んでいただけると思う。
中村先生の技を、丹念に教授してくださる竹内義順顧問に感謝します。
また、岐阜からお越しいただいて、共に奉納演武を行った関口流の皆様にもお礼申し上げます。
今後、日本がどのような道を歩むのか、不安も疑問も多いが、私は祖国に命を捧げた英霊方に恥じぬような在り方が一番であると思う。
靖國におわす英霊の御霊が喜び、慰撫される、それが当然だと考える日本人が多くなれば、必然的に日本国も良き方向に進んでいくと確信する。
そのための武の道だと確信した奉納演武であった。