最善を尽くす大切さ 一ノ木 直樹

 In 奉納演武

11月5日(土)の靖国神社は紅葉の始まりも見える良い天気でした。
コロナや諸事情もあり、個人としては3年ぶりに演武を奉納することとなりました。

靖国神社には安政の大獄で江戸幕府に処断された尊王派の志士から始まり、太平洋戦争での戦没者まで多くの英霊が祀られています。
日本のため・家族を守るために戦った英霊に武を奉納し、彼らの力を授かることができればという思いで今年は奉納演武に臨みました。

約2年前、娘が生まれましたが、先天性の遺伝子の疾患で何度も生死の境を行き来し、蘇生措置を行って死を払ってきました。
これからも娘から死を払い続けることができるよう、英霊たちから力を授かることができるように祈り、演武を奉納しました。

奉納演武において、試斬では1本目は左袈裟・右逆袈裟・左袈裟の型:稲妻で納めました。
2本目は右袈裟、左逆袈裟、右袈裟の型:逆稲妻で納めようとしましたが、2刀目の左逆袈裟で失敗をしてしまい、仮標が左向きに傾いてしまいました。
この状態から右袈裟で斬るのは厳しかったものの、一呼吸置き、諦めずに最後の1刀を全力で振り抜きました。

後で思い返せば、これは英霊たちからの試練だったのかもしれません。
「最後まで諦めずに最善を尽くせ」
こう言われている気もします。
娘を守るため、改めて最善を尽くすよう気を引き締める機会となりました。

この演武を娘も見に来ていましたが、左逆袈裟で失敗をしたときに声を出して笑っていたと妻から聞かされました。
何かを感じたと思わざるを得ませんでした。