神が宿る日本刀 刀鍛冶見学会に参加して

 In 事務局より, 刀鍛冶見学会

約1000年前に誕生し、現在もなお人々を魅了する日本刀。
今回刀鍛冶見学をさせていただき、何故日本刀に「神が宿る」と云われ、人々を魅了し続けるのか、少し解ったような気がしました。

東洋思想のひとつに「五行(木、火、土、金、水)で自然界は構成されている」というのがありますが日本刀にはこの大地の五行の恵み全てが取り入れられ、そこ各々に、また造り人の霊(魂)が込められている。
大地の恵みと人霊との調和の上に出来上がった日本刀に「神が宿る」のだと感じました。

鉄(金)、木炭(木)、炉(火)、熱冷まし(水)、土置き(土)。
五行では「風は(木)」に属します。
そしてそのひとつひとつにそれぞれの日本の職人の霊を込めた技術。
自然の恵みのどれひとつ欠けても、あるいは質や調節が悪くても、美しい日本刀は生まれない。

実際見学させていただくと、たたらの火はまるで生き物のようで、ふいごから送られてくる風に表情を変えていました。
そこにも火の神さまが宿っているように見えました。
そして小澤刀匠の巧みの技。

出来上がった一刀の日本刀が鞘に収まるとき、実に何人もの匠の霊も一緒に収められるのだと思います。

大地の恵みと人霊。
神が宿り、人々を魅了して止まない日本刀の原点。
新たな発見で、今後の「名刀」の鑑賞の仕方も少し変わると思います。
本当に有意義な見学時間を企画していただき、ありがとうございました。
                                           

練習生 K Y

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