静岡聖光学院にて特別授業
令和6年10月11日、静岡聖光学院にて特別授業を行ないました。
これは志ある教師の集まりである「もののふの会」で知りあった鈴木洋介先生のゼミにて、中学二年、三年生を対象とした授業だった。
まずは日本刀とは何であるか、その歴史からはじめ、作刀の仕方、刃文や地鉄のことや、武士はどのように刀を扱っていたかなどを説明し、武器としての側面だけでなく、時に信仰や畏敬の対象ともされる日本刀の奥深さを知ってもらえるよう話した。
その上で、各学年数名の生徒に作法を教え、日本刀を手に持たせた。
手に持った生徒はいろいろと感じるところがあったようで、それは後の感想で取り上げているので読んでほしい。
次に戸山流抜刀道の型を八本披露した。
いつもであれば、この後に試斬の演武をするのだが、事情により今回はそれをせず、そのかわりに生徒達に木刀での新聞紙斬りをさせてみた。
最初は先入観なしにやらせてみて、斬れなかった生徒には、氣を刀の抜ける方、つまり斬る方向に持っていって、先に氣で斬った後を木刀がなぞる感じでやってみてと言うと、だいたいの生徒が斬れた。
結局この氣を走らせるやり方は、畳表を使った仮標を斬るのも同じ要領で、氣を自在に使えばたいていのことはできるという事の示唆に富む実践として成功であったと思う。
最後に質問を受け付け、ゼミらしく議論をして終了となった。
子供たちは日本文化に大変興味を持っており、武士道や日本刀には特に関心を抱いている。
やはり若い頃に本物にふれて、その気配を感じておくのが重要で、今後も学校での授業は積極的に行なっていきたいと思う。
これを読んで興味を持った教育関係者諸君は、どうぞ気軽に問い合わせてほしい。
以下、生徒達の感想の中からいくつかとり出してみた。
今まで刀を強く振るためには筋力が必要だと思っていました。
しかし、実際には力が必要なのは振りかぶる最初のところだけで、自分の手をへそのところに持ってくるイメージで振ることが大事だと知りました。
貴重な時間をありがとうございました。
3年 NSくん
先生の剣技は迫力があり、しっかりと経験を積まれた人にしか出ない「圧」のようなものを感じました。
そんな先生にも、途中で道を変えたりしながらも、また戻ってきたところに人間味を感じました。
刀は殺しの道具だとしか思っていなかったのが、黒澤先生の授業を受けて、それ以外にも役割があることを知り、良い経験になりました。
3年 YKくん
この授業を受けて、刀の凄さを実感することができて、とても良かったです。
また、刀以外でも、正座の仕方や残心の重要さをより知ることができました。
そして、刀などの日本の伝統をもっと知りたいと思いました。
3年 TYくん
授業を受けて、僕は刀により関心を持つことができました。
刀を実際に持たせてもらった時は、思ったよりも重く、模様(刃文)があり驚きました。
非常に良い体験をさせていただき、本当にありがとうございました。
3年 SAくん
はじめて真剣を持ってみて、思ったよりも軽かったが、なにか実際の重みと違う重みを感じました。
あと、先生の演武をみて鳥肌が立ちました。
3年 YOくん
僕の一番印象に残ったことは、真剣を持ったことです。
なぜなら、手にした瞬間の重々しい空気感がとても印象に残ったからです。
今まで感じたことがないような体験ができました。
3年 ATくん
今回の特別授業を受けて残心という言葉が印象に深く残っています。
残心はお礼を欠かさないこと(※黒澤注 授業では「供養」という言葉を使って説明しました)、反撃に備えることだと学びました。
また、黒澤先生の声量に驚きました。
声を出すと体に力が入り、やる気が出ると僕は感じました。
3年 KUくん
忙しい中、わざわざ神奈川からいらして、日本刀の授業をしていただきありがとうございます。
僕が一番印象に残っていることは、鞘から抜いた刀を振る時に、力を入れず、体の軸を安定させて斬っていたことです。
また真剣をはじめて握れたことや、刀に関連する語彙、歴史を知ることができ、貴重な体験をすることができました。
今回学んだことを忘れずに、代々受け継がれてきた日本刀の文化に誇りを持ち、その文化を外国人にも説明できるような日本人になります。
3年 HKくん
日本刀の歴史や、正しい日本の礼儀作法をはじめて知り、日本のことへの興味が増しました。
日本は比較的歴史が長く、他の国より文化に深みがあるので、他の日本文化についても調べてみようと思います。
2年 SYくん
武士道を見せてもらってありがとうございました。
いろいろな技のひとつひとつに迫力や「気」が感じられてカッコよかったです。
2年 ADくん
日本刀の技を披露してももらったり、解説してもらい、とても貴重な体験をありがとうございます。
今回僕は武士道と言ってもいろいろな作法があり、ひと括りにできないと学びました。
特に流派が数えきれないくらいあったということに驚きました。
これからも正しい日常の作法を学び、活かし続けていきたいです。
2年 KKくん
日本刀を振っている時は、目つきが変わりオーラがあった。
日本刀にふれるという、本来普通に生きていたら関われないような体験ができて良かったです。
刀を振る姿は、まさに勇ましく、そしてきれいで、日本刀の良さに気づくことができました。
2年 SYくん
興味を持った教育関係者の方は、ぜひお気軽に事務局までお問い合わせください。