梅林刀剣鍛錬所の見学における感想文

 In 事務局より, 刀鍛冶見学会

6月18日に、神奈川県足柄にて鍛冶場を構える梅林刀剣鍛錬所に見学へ行きました。
積み沸かしから折り返し鍛錬までの工程を見ることができました。
鍛冶場の中は、火床の炎によって非常に暑く、火床から離れている私たちでも、冷たい風を求めてしまうほどでしたが、小澤刀匠は、一番近いところで炎と向き合っており、これだけでも大変な修行であると感じました。
当日、私は小澤刀匠のご厚意で向槌の体験を行いました。
大槌で鋼を叩くのですが、大槌は非常に重いため、きちんと腰を据えないとよろけてしまいますし、大槌の重さを上手く活用しながら叩かないと、身体が持たないと感じました。
ここで一番に感じたことは、鋼が柔らかいということです。


大槌で叩くと、反発する力ではなく、鋼の中に力が吸い込まれていくように感じました。
ただ、身を任せて鋼に力を吸い込まれた時は、いい音が鳴らなかったように思います。
小澤刀匠から大槌と鋼が当たる瞬間に、大槌を上げるようアドバイスをいただきました。
その通りに叩くと、力が吸い込まれるのではなく、鋼を鍛えるという感触に変わったように感じ、叩いた時の音も、キーンと良い音が鳴りました。
鍛錬は、力任せでも相手任せでもなく、鋼と向き合い、互いのバランスを取ることなのではと、勝手ながら思いました。
今回、見学と体験をしたことで、刀匠は自分が納得のできる刀を作成するために、
長い時間刀と向き合っているのだと思いました。
それにひきかえ、自分の刀への向き合い方が、まだまだ未熟であると感じさせられました。
より刀と向き合い、精進をしていきたいと思います。
最後になりますが、今回見学・体験を快く引き受けてくださいました小澤刀匠、誠にありがとうございました。

門下生 黒澤亮介

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