佐々井師をお迎えしての新道場開き

 In 師範

私にとってインド仏教最高指導者である佐々井秀嶺師は、「龍雲」という法名をうけたまわり、その後、自身の剣の流儀を「殺活自在流剣法」と名乗る時も、名に生命を吹き込んでいただいたりと、人生の節目に、いつもそばいてくださる、大切な恩師です。
さて、このたび縁あって、ささやかながらも地下に道場のスペースを取れる物件が見つかり、引っ越したので、そこでの道場開きは佐々井師をお迎えして執り行いたいと思いました。

佐々井師の一門は名に龍の一文字が入るので、「龍族」と呼ばれます。
私もその一門ですので、龍族として地下にある道場にふさわしい名前とは何であるか、いろいろと思案したところ、「臥龍(がりょう)」という言葉が思い浮かびました。
辞書によると「臥龍」とは臥してうずくまった龍のこと。
龍が臥すのは地面ではなく、池中であろうから、地下空間を龍の臥す池に見立てるのも風流で、趣があります。
また臥龍の意味としてもうひとつ、優れた能力を持ちながら、世に知られていない人物、在野の傑物というのがあります。
佐々井師の活躍はひろく世に知られていますが、在野の傑物に間違いないだろうから、こちらの意味も龍族としてふさわしいと思います。
よって新道場は、「臥龍館道場」という名前にいたしました。

場を整え、名前も決めて、七月一日にいよいよ佐々井師をお迎えして道場開きを執り行うこととなりました。
よく晴れた日曜日、横浜の丘の上へいらしてくれた佐々井師は、去年よりも元気そうで、大変頼もしくみえました。
リビングでひと休みしていただいたあと、地下に降りて、道場開きを始めます。
まずは私が刀で四方八方と天地の魔を祓う「十方祓の儀」を行い、道場を清めたあと、佐々井師にお祝いのお言葉をいただき、その後、参列した門弟たちも含め、全員で般若心経をあげ、無事結願しました。
佐々井師のあげる般若心経は、他の方とはまったく違う、一種独特なものだと私は感じます。肚の底から魂を込めて、氣を入れて、それをひとつひとつの言葉にのせて空間に放出しているのが、一緒にお経をあげてみると、より体感できます。
佐々井師の魂が注入された道場を、これからどのような形で活用していくか、未だ思案中ですが、佐々井師からいただいた「龍雲」という名、「殺活自在流剣法」という流儀の名に恥じぬよう、剣の道に精進したいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

日本武徳院殺活自在流剣法
創始師範・剣士 黒澤龍雲

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